サラリーマンFPのつぶやき

~会社員をしながらFPとして活動しています~

知らなきゃ損する!?住宅ローン金利の仕組み(変動金利編)

f:id:takahata4274:20180513192658p:plain

住宅ローン金利について、2部に渡ってご紹介していきたいと思います。

今回は中編「変動金利について」です。

※なお、本編では固定金利期間選択型も変動金利タイプのローン金利として扱います。

周りの友人・知人などに住宅ローンの金利タイプについて聞くと、ほとんどが「変動金利タイプ」を選択していました。

理由は、

固定金利より金利が安いから

がん特約がついているから

銀行に相談にいったら、勧められたから

 といった内容でした。

最後の、勧められたからという理由で何千万のローンを決めるというのは疑問ですが、

みなさん、「変動金利の方がお得」だという認識のようです。

 

果たしてそうなのでしょうか?

そこで、変動金利についてメリット・デメリット、そしてリスクについてご紹介していきたいと思います。

変動金利とは

変動金利は次のように定義されています。

金融情勢の変化に伴い、返済の途中でも定期的に金利が変動するタイプ

 つまり、「景気の良し悪しに左右される金利タイプ」ということですね。

金利の指標となっているのは「短プラ(短期プライムレート)」ですが、内容については割愛します(ややこいので。。。)

変動金利は短プラという指標で決まっている

と、頭の片隅に入れておくだけでいいでしょう。

 

 変動金利のメリット・デメリット

 これから家を建てる人も、借り換えを考えている人も、メリデメが気になると思いますので、しっかり説明していきたいと思います。

まずメリデメを整理してみます。

f:id:takahata4274:20180519081501p:plain

 こんなところでしょうか。

では、メリデメをもう少し詳しく説明していきたいと思います。

メリット:固定金利に比べ金利が安い

これはご存知の方も多いのではないかと思います。最近では破格の金利を提示しているネット銀行などもあります。

今回は、メガバンク、ネット銀行、フラット35の金利を比較してみます。

f:id:takahata4274:20180519081358p:plain

2018年4月現在での金利は、ネット銀行が0.457%とかなり低金利であることがわかります。返済額を見ると、フラット35に対して500万円以上も返済額が安くなることが分かりました。

この結果を見ると、「圧倒的に変動金利タイプがお得♪」と言えますね。

メリット:金利が下がれば返済額が安くなる?

 月初に銀行から公表される金利は常に変動していますので、当然金利が下がれば返済額が安くなると思いますよね。

ただ、よく調べてみると「金利が下がっても、返済額が安くなる可能性はほとんどない」ようです。

では、その仕組みについて、みていきたいと思います。

変動金利は、基準金利とそれを構成する優遇金利と実効金利で成り立っています。

 

                       

f:id:takahata4274:20180522224216p:plain

ここで、銀行から提示されている金利は「実行金利」です。「じぶん銀行」で実行金利が変更されたのは2017年12月でしたので、その時の金利を見てみると、

      

f:id:takahata4274:20180519081942p:plain

 基準金利は変動がありません。この場合、優遇金利を拡大することで実行金利を下げているということが分かります。優遇金利は借入時に適応される基準金利からの引き下げ値で、借入後は変更されません。

つまり、借入後、基準金利が下がらない事には返済額が安くならないと言えます。

 

では、基準金利が下がる事はあるのか?

 

残念ながら望みは薄いでしょう。それは、すでに金利は最低水準にあるからだと考えられるためです。2016年2月に「マイナス金利政策」が発動しました。通常、金利がマイナスとなれば金融機関が提示する金利も下がるはずです。現に「フラット35」の固定金利は下がりました。

しかし、変動金利の指標となる短プラは変化がありませんでした。これは「これ以上短プラを下げると、業績に影響が出ると判断されたため」と私は考えています。

以上の事から、「金利が下がれば返済額は安くなる」というメリットは期待薄と思われます。

 デメリット:金利が変動するため返済計画が立てにくい

金融情勢によって金利が変動するため、最終的な返済額が確定せず、借入時に返済額が確定している全期間固定型に対して、返済計画が立てにくいです。

前項で述べたように基準金利の低下は期待薄なので、金利が変動するとすれば上がる方向だと思われます。

現水準で変動金利で借入する場合は、金利が上がっても無理なく返せる範囲内で借入額を決める必要がありますが、それを見積るのは困難です。(金利がどこまで上がるか分からないため。)そのような意味でも、変動金利は返済計画が立てにくいと言えます。

 

デメリット:金利が上がれば返済額が高くなる

 

全期間固定の場合は金利の上下に関わらず返済額は一定ですが、変動金利は金利が上がると返済額が高くなります。

ただし、金利が上がったからといって直ぐに返済額が高くなるわけではありません。

それは、

5年ルール」と「1.25倍ルール

が存在しているからです。

次項では、このルールの仕組みとリスクについて説明したいと思います。

 

※重要※5年&1.25倍ルールとリスクについて

変動金利で借入する場合に理解しておきたい重要な内容です。5年・1.25倍ルールのメリット・デメリットそして発生するリスクについて説明します。

5年&1.25倍ルールのメリット

変動金利は「短プラ」を基準として決定されており、金利の見直しは半年に1度としている金融機関が一般的です。

仮に、金利が急上昇して「金利が上昇したから、毎月10万の返済額を、翌月から20万にしてください。」

なんて事になると、毎月の返済額の負担が大きくなり、家計を圧迫しかねません。

 そこで、返済見直しの規定として「5年&1.25倍ルール」というものがあります。

これは、

    返済額の見直しは5年に1度とし、返済額の上限は変更前の1.25倍以内とする

といった内容です。

 

f:id:takahata4274:20180522225922p:plain

この規定により、急に金利が上がったとしても5年間は返済額が上がらず、また返済額の上限は変更前の1.25倍までに抑えられるので、急に家計が苦しくなるといったリスクを回避できます。

5年&1.25倍ルールのデメリットとリスク

金利上昇があったとしても、5年間は返済額が変わらないのはメリットですが、一方でデメリットにもなり得ます。

それは、返済額が同じでも元金に対する利息の割合が大きくなるからです。

また、1.25倍ルールによって抑えられると元金の返済が遅くなり、結果、返済総額が大きくなる可能性もあります。

さらに、急な金利上昇があると、最悪の場合、利息分が返済額を超え「未払い分」が発生する可能性もあります。この場合、返済額をしっかり払っていても元金が減っていない状態となります。

f:id:takahata4274:20180522225735p:plain

つまり、「35年間しっかり払ったが、元金や未払い分が残っている」といった事が発生する可能性があります。

では、残金はどのように支払うのでしょうか。

 

f:id:takahata4274:20180611095431p:plain

 三井住友銀行の住宅ローンの場合ですが、変動金利型の場合、

未返済残高がある場合は、原則としてご返済日に一括返済していただきます。

と書いてあります。

35年間しっかり払ったが、元金や未払い分が残っている。さらに一括返済しなければならない

とは。。まさに泣きっ面に蜂ですね。

 

ただ、今後急激に景気が回復し金利が急上昇するというのは、なかなか難しいと思います。しかし、日本政府はデフレ脱却を目標としており、いずれ金利は上がると思います。

ですので、このようなリスクを理解した上で変動金利を選択する必要があると思います。

変動金利に向いている人  

 私が考える変動金利に向いている人は、

早く返せる人(完済が遅くなるほど変動のリスクがあるため)

金利変動におけるリスクを許容できる人(リスク管理できる人)

金利や市場動向をウォッチしている人(金利や市場の変化に対応できる人)

と思います。

まとめ

変動金利型は固定金利型と比べ金利が低い事が最大のメリットですが、金利が上昇した時の対応をあらかじめ決めておかないと、返済満期後に思わぬ支払いが発生する可能性があります。

金利が低い、特約があるといったお得な部分だけではなく、デメリットやリスクについても理解した上で、自分にとって最適な借入方法を選択する必要があると思います。